ある朝の日に照らされて 葉っぱの上をぱわんと丸く滑り落ちていく

あの一粒の露になりたいのです

そうして球体を保ったまま小さく、小さくなりながら大気に逃げてゆき、

また空を何周かしてから雨になって降り注ぐ、そういうことを繰り返してゆく

存在になれるのならば どのくらいの痛いこともしてみせようと思っていた

ちょうどおなじようにわたしの血が丸くなってゆくのを

ただ見ていた 午後

ほんとうにするどかったな 指先はやわく よく茹でた鶏肉のように切り裂いていったのは

薄くりりしい一本の葦だった

わたし表面を切り裂いても加工済みの肉のようになんの汁も出てこないと思われているんだ 

塩の山に隠れて何も見えなくなった場所に心があった 本当だよ

おじさん、右から左へスムーズに受け流しては味見するそのハムは本当はね、

ちゃんと肉の味がしている

ちゃんと肉の味がしている

 

わたしの獣を見せたいのです

見てもらいたいのでも見られるべきなのでもなく

見せてあげたい

表層の質感もどこがどう躍動しているのかも凹凸の位置関係でもなく魂の美しい入れ物でしかない

どうしたって透明なあの雨粒が

心、のふりをしてここに入っている

からんと音を立てる

そのことをずっとどうしたらいいのかわからなかった

写るだろうか、小さな粒でできている

わかってくれるだろうか 

シャッターをおろす一瞬の あの永遠の1秒が

君に見せてあげられたらいい

ほんとうにかなしいことしか記録されないのなら

なぜ 身体に傷など増やしてゆくのかわからない

波打つ毛皮 あなたが言うことはいつも真逆

生贄にするとしてももっと美しい姿を見て欲しかったな

そう言ってひるがえした皮膚の裏に

わたしの本当の美があった 

けものくさい肉は食えないと言う 愚か者を切り捨てて

逃げ延びてゆく、魂以外を諦めて

first model 中尾有伽

hair&make AOKI

Production Designer 中村哲太郎

making 野村陽

assistant アガツマアヤメ