君が完全な制服少女。
クラス全員が振り返る。
まだ女子と手も繋いだことない男子全員が、
あの子は俺の理想の子だと
今日も席から動かないまま
黙って横目に見つめてる。
転校する前不良だったとか
あいつとそいつに二股かけたとか
よく見たら女子の友達一人もいないとか
真夜中の目撃情報とか
長袖着てる理由とか
そんなの全部嘘だって、

言い切れるほど勇敢じゃないから
そんなの全部ほんとでも、

むしろ好きって言える僕になる。
放課後あの子は駆け出して
コンビニ袋を投げ捨てて
パンクロックの流れる空へ
虹色の羽根を優雅にひらく。
君は僕の完全少女。
気づいた君は振り返り、尻餅ついた僕の目を
臆さず見つめて問い詰める。
「君もどうせ、頭の中にいる

理想の私が好きなだけ。
誰だよそいつ、そんなやつ知らない！
あんたのことなんか、魂の姿で出会ったら
２秒で踏み潰せちゃうんだから。」
計り知れない虹色の竜は、夕空目掛けて威嚇する。
君を好きなのはほんとは僕だけ。
２秒で潰れた心臓を、散らかった部屋に転がして
ラブソングを歌う。