君は世界の中心で　今日も際限なく苛立っている。
居眠りかました算数の授業、眉間に寄って治らないシワ、握りつぶした金魚、頬張るハンバーグ、ありえないわがままの応酬。

いつも何かにムカついて、時折くしゃくしゃに笑う。
ママに着せられたよそ行きのワンピースが気に食わない。髪型も靴も何もかも嫌になって、

暴れ回れば回るほど、フリル付きの裾が揺れて物語のようになる。ムカついている。
君に潰されたイチゴも、脱ぎ捨てられた服も、塗りつぶされた壁も幸福な怠惰に横たわる。
僕は君の、へんなところが好き。

君は僕に笑いかける。誰にも見せないわがままを言う。君が残したハンバーグを食べる、僕の顔を見て笑っている。
僕の姿は君にしか見えない。
けむくじゃらで透明の僕の手を、君だけが引く、森の中をゆく。

秘密の公園。折れ曲がった花。忘れた落書きノートの中が、僕の最初の１ページ。
いつか僕はさよならを言う。
でも、君に僕が必要なうちは、
僕はきみの見えない友達。